福岡から宮崎へのサーフィン移住完全ガイド｜実体験者が語る近距離移住の真実

同じ九州内でも、福岡と宮崎では全く異なるサーフィンライフが待っています。わずか数時間の距離にも関わらず、波質、水温、生活環境まで大きく変わる現実をご存知でしょうか。

実際に福岡から宮崎に移住したサーファーは「毎日サーフィンができる生活を手に入れた」と語っています。しかし、移住には波に乗れる喜びだけでなく、仕事や生活面での現実的な課題も伴います。

この記事では、福岡から宮崎への移住を経験したサーファーの実体験をもとに、近距離だからこそ見える違いと移住成功のポイントを徹底解説します。

宮崎サーフィン移住の魅力｜なぜ福岡から移住するのか

年間を通した安定した波とコンスタント性

宮崎県は、温暖な気候と南北に広がる日向灘の景観の美しさ、そして波の良さがあいまって、全国屈指のサーフィンスポットとして知られています。

福岡では良い波に恵まれる日が限られる一方、宮崎では年間を通して安定した波が期待できます。地元の方には「フラットなんて年に10回もないよ」と言われるほど、波のコンスタント性は抜群です。

特に注目すべきは、2024年に開催されたWSL公認「The Open Surfing Miyazaki Series」での国際大会です。宮崎市木崎浜と日向市お倉ヶ浜で連続開催され、オリンピアンも参加する世界レベルの大会が行われました。これは宮崎の波質の高さを物語る証拠といえるでしょう。

水温の違いと快適性

宮崎県は「日本のひなた」とも言われるように、一年を通して温暖な気候が特徴で、冬でもサーフィンを楽しむことができます。

具体的な水温の違いは体感で大きく感じられます。ある移住者は「宮崎は水が暖かいので最高。寒いとどうしてもやる気が出ない日も出てくる。宮崎は5mmを持っていたら、ブーツや手袋はいらないくらいの暖かさ」と語っています。

2025年1月の平均気温は7.6℃、2月は7.3℃と、どちらも5℃を下回る日が少なく、私の場合はブーツ、キャップなしのセミドライのみでサーフィンをしています。

宮崎県内の主要サーフスポット詳細

県北エリア：世界大会級のポイント

お倉ヶ浜（日向市） 日本でも有数のサーフスポットとして知られる、宮崎県日向市にある「お倉ヶ浜」では、2024年に3年ぶりとなる国際大会が開催されました。

金ヶ浜（日向市） あるサーファーは「金ヶ浜でサーフィンをさせていただいたのですが、開放感のあるお倉ヶ浜とはまた違うトロピカルな雰囲気で、まるで海外にいるかのよう」と感想を述べています。

県央エリア：アクセス抜群のメインポイント

木崎浜（宮崎市） 宮崎県宮崎市木崎浜で実施される「QS3000 IBK宮崎プロ・WSLプロジュニア」では、パリ五輪出場者を含む世界トップレベルのサーファーが競演。宮崎空港から車で10分ほどの好立地も魅力です。

青島（宮崎市） 「青島」は、島そのものがパワースポットと言われ、宮崎を代表する観光地の一つです。最近では、おしゃれなスポットやカフェなどが立ち並び、南国の雰囲気漂う移住者にも人気の地域となっています。

県南エリア：美しい海と穴場ポイント

恋ヶ浦（串間市） 私が宮崎移住を決めたきっかけとなったのが「恋ヶ浦」です。恋ヶ浦は串間市というほとんど鹿児島県との県境に位置しており、宮崎市からだと車で2時間半ぐらいかかりますが、「ロケーション」「波の質」「人の量」すべては完璧と評価されています。

福岡との生活環境比較

生活コストの大幅削減

住居費の違い 私の場合、新築耐火造1R、オートロック、宅配ボックス付き、宮崎駅から徒歩15分で家賃は45,000円（駐車場込み）ほど。東京なら場所によっては10万を軽く超えるような物件ですが、宮崎県なら駐車場込みでも半分以下で済むという実例があります。

移住体験者の中には「2LDK 家賃5万円/月の家に住んでいる」というカップルもおり、福岡の都市部と比べて住居費を大幅に抑えることが可能です。

物価水準 宮崎県は物価指数が5年連続で最も低く、生活必需の食料や住居といった項目が他都市に比べ低い傾向にあります。これは移住後の生活設計において大きなアドバンテージとなります。

仕事環境の変化と対策

給与水準の現実 厚生労働省が調査した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、全国平均307.4万円のところ、宮崎県は244.6万円と大きく下回り、47都道府県で見ても最下位となっています。

しかし、リモートワークの普及により選択肢が広がっているのも事実です。ある移住者は「僕はもともと会社員をしていて、学芸大学に住んでいたのでそこから大手町に通っていた。毎日45分くらい電車で通勤していた。そこから思い切って脱サラして、今はフリーランスで英語を教えている」と語っています。

働き方の多様化 移住後に地元企業への転職を果たした例もあります。南九州日野自動車に勤める福岡出身の方は「サーフィンが好きで福岡から宮崎に移住。休日が充実しているのでプライベートと両立ができています」と話しています。

移住者のリアルなライフスタイル

理想的なサーフィン中心の生活

移住者の一日のスケジュール：0時から8時まで寝る → 朝8時過ぎから11時までサーフィン → 11時から15時まで仕事 → 15時から18時はサーフィン → 20時から21時仕事

このように、一日に2回のサーフセッションを組み込んだ生活が実現可能です。「今はサーフィン上手くなるために生きているという感じ。とにかくサーフィンを優先していますね。人生の中でこの期間があって良かったと思います」

経済的挑戦と工夫

移住当初の厳しい現実も隠しません。移住した最初は手取り6万円程度で、家賃が35000円残り35000円でやりくりした。移動は全て自転車、毎日自炊など、携帯は格安スマホで月980円という厳しい生活から始めた人もいます。

それでも「いきたい場所に行けなかったり、食べたいものが買えない時もあったけど、それでも毎日サーフィンができたら『人生ってこんなに楽しいんだ』と思った」という声もあります。

2025年最新の移住支援制度

宮崎県移住支援金制度

移住支援給付金制度とは、宮崎県外から宮崎市へ移住して就業又は起業等をされた方に支給される制度です。

支給金額：

世帯での移住：100万円（夫婦や家族での移住）
単身での移住：30万円～60万円（移住元地域により異なる）
子育て加算：1人につき最大100万円（18歳未満の子を帯同する世帯のみ）

※子育て世帯の場合、基本額100万円＋子育て加算により最大200万円となります

対象地域 宮崎県移住支援金事業は、東京圏、名古屋圏、大阪圏並びに福岡県から宮崎県内の市町村に移住し、所定の要件を満たした場合に、移住支援金を支給する事業であり、福岡県からの移住者も対象となっています。

各市町村独自の支援

日向市の取り組み 宮崎県外の都市圏等から日向市へ移住して就業又は起業等をされた方に、世帯移住100万円（子育て加算込みで最大200万円）が給付される制度があります。

また、日向市では「リラックス・サーフタウン日向」プロジェクトを展開し、サーフィンを核とした町づくりを推進しています。

移住情報収集のツール

宮崎県では「ライフスタイル診断」というサービスを提供しており、個人のライフプランに合った県内の市町村を見つけることができます。サーフィンを楽しみたい方には特に有効なサービスです。

移住のメリット・デメリット分析

メリット：サーフライフの劇的向上

波のバリエーション 宮崎は南北に長い県なので、北〜南までサーフポイントが点在しています。そのため波のバリエーションが豊富で、ショートからロングまで幅広いサーファーが楽しめる環境があります。

温暖な気候 宮崎は真冬でも水温が温かいため、年間を通して身軽にサーフィンができます！真冬でも、グローブ・ブーツは使わない！という人も多いのが大きな魅力です。

デメリット：都市機能と人間関係の変化

プライバシーの変化 移住者は「良い意味でも悪い意味でもプライバシーがない」「誰がどこに住んでいるか、みんなが知っていること」に戸惑いを感じることもあります。

都市機能の違い 福岡の都市機能を離れることによる医療機関や商業施設の選択肢の限定、交通の便の制約などは事前に考慮すべき点です。

ただし「都市と自然が共存する、地方都市。都市があることで若い人も多く、活気があるのが良いです！ガッツリ田舎だと、人間関係にハードルが高い場合がある」と、宮崎の地方都市としてのバランスを評価する声もあります。

移住準備の具体的ステップ

1. 経済的準備

成功した移住者のアドバイス：「脱サラする時はやっぱり怖いので、まずは100万円を貯めた。1ヶ月に10万円使うとして、10ヶ月あれば、最悪フリーランスで仕事ができなくても、何かバイトしようと思った」

2. 情報収集と現地訪問

宮崎県移住ポータルサイト「あったか宮崎ひなた暮らし」での情報収集と、実際の短期滞在での雰囲気確認が重要です。

3. 仕事の確保

リモートワーク可能な職種であれば比較的スムーズですが、そうでない場合は宮崎県マッチングサイト「ふるさと宮崎人材バンク」での事前の就職活動が必要です。

4. 住居の確保

「空き家バンク」などのサービスの活用や、実際に移住した人の「『空き家バンク』という全国の空き家を活用するサイトを通じて宮崎に家を購入。北海道と宮崎で二重生活を送っています」という事例を参考にしましょう。

よくある質問（Q&A）｜福岡から宮崎へのサーフィン移住

Q1: 福岡から宮崎への移住で一番大きな違いは何ですか？

A: 波の質と頻度が圧倒的に違います。福岡では月に数回しか良い波に乗れませんが、宮崎では「フラットなんて年に10回もない」と言われるほどコンスタントに波があります。また水温も暖かく、年中快適にサーフィンできる点が大きな違いです。

Q2: 移住支援金はどのくらいもらえますか？

A: 福岡県から宮崎県への移住は移住支援金の対象となります。世帯移住で100万円、単身移住で30-60万円が基本額です。18歳未満の子を帯同する場合は子育て加算により最大200万円となります。ただし就業や起業などの条件があるため、事前に詳細な要件を確認することが重要です。

Q3: 仕事はどうやって見つければいいですか？

A: リモートワーク可能な職種が最も安心です。現地就職の場合は「ふるさと宮崎人材バンク」を活用するか、移住前に現地での就職活動を行うことをおすすめします。給与水準は全国最下位レベルなので、生活費とのバランスを慎重に検討してください。

Q4: 住居費はどのくらい安くなりますか？

A: 大幅に削減できます。実例では宮崎駅徒歩15分の新築1Rが駐車場込み45,000円、2LDKが50,000円程度です。福岡都市部の半額以下で済むケースが多いです。

Q5: どのサーフポイントがおすすめですか？

A: 初心者なら青島、中級者以上なら木崎浜、上級者は日向市のお倉ヶ浜がおすすめです。県南の恋ヶ浦は最高のロケーションですが、アクセスに時間がかかります。レベルと居住地を考慮して選択しましょう。

Q6: 移住のタイミングはいつがベストですか？

A: 春（3-5月）が最適です。新生活のスタートに合わせやすく、気候も安定しています。また、この時期に移住すれば夏のベストシーズンを存分に楽しめます。

Q7: 移住前に準備すべき資金はどのくらいですか？

A: 最低でも100万円は確保しておくことをおすすめします。移住支援金の支給までには時間がかかる場合があり、初期の生活費や住居確保費用として必要です。

まとめ：波と共に生きる新しい人生への第一歩

福岡から宮崎へのサーフィン移住は、単なる住所変更ではありません。それはライフスタイル全体の大きな転換であり、波を中心とした新しい人生の始まりです。

移住のポイントまとめ：

年間を通した安定した波と温暖な水温
生活コストの大幅削減（特に住居費）
世帯100万円、単身30-60万円の移住支援金制度（子育て世帯は最大200万円）
リモートワークや地元就職など働き方の多様性
プライバシーや都市機能の変化への適応

「宮崎にサーフィン移住することは、人生を賭けてサーフィンを楽しむということ。友達も家も知り合いもいなく、仕事も変わるし、収入も減るかもしれないけど、たっくさんサーフィンをするという人生の選択。これは本当に素晴らしいこと」

あなたも波と共に生きる新しい人生を始めてみませんか？宮崎県では移住希望者向けに様々な支援制度とサービスを用意して、あなたの新生活をサポートしています。

福岡から宮崎へのサーフィン移住完全ガイド｜実体験者が語る近距離移住の真実