宮崎移住をやめとけと言われる理由|後悔する前に知っておくべき現実

宮崎移住をやめとけと言われる理由｜後悔する前に知っておくべき現実

青島ビーチ

みなさん、こんにちは。最近、地方移住ブームで宮崎県への移住を考えている方も多いのではないでしょうか？

確かに宮崎県は「日本のひなた」と呼ばれる温暖な気候と豊かな自然が魅力的で、移住先として注目を集めています。しかし、実際に移住した方々からは「やめとけばよかった」「失敗だった」という声も数多く聞こえてくるのが現実です。

この記事では、宮崎移住の厳しい現実と、なぜ多くの人が「やめとけ」と口にするのか、その理由を詳しく解説していきます。移住を検討している方には、ぜひ最後まで読んでいただき、後悔のない選択をしていただければと思います。

この記事で分かること

宮崎移住で後悔する人が多い具体的な理由
実際の移住者が体験した失敗談とリアルな声
宮崎県の生活で直面する現実的な問題
移住前に知っておくべき重要なポイント
宮崎移住を成功させるための条件

宮崎移住「やめとけ」と言われる7つの決定的理由

1. 給料の低さは想像以上｜全国平均を大幅に下回る収入事情

宮崎移住を「やめとけ」と言われる最大の理由の一つが、圧倒的な給料の低さです。

宮崎県の平均年収は約380万円で、これは全国平均の500万円を120万円も下回っています。つまり、年間で120万円、月額では約10万円も収入が減ってしまう計算になります。

宮崎県の給与水準データ

平均年収：380.8万円（全国45位）
年収中央値：333万円
月収平均：23.8万円
全国平均との差：年間約120万円の減収

さらに深刻なのは、年代別に見ても全国との格差が顕著に現れることです。

年代別平均年収比較

30代：362.7万円（全国平均より約100万円低い）
40代：427.3万円（全国平均より約130万円低い）
50代：476.4万円（全国平均より約150万円低い）

移住体験者の声を聞いてみましょう：

「東京で手取り25万円だった私が、宮崎では同じような職種で手取り15万円になってしまいました。生活費が安いとはいえ、この差は予想以上でした。」（30代女性・IT関連）

「営業職で転職したものの、歩合制の給与体系でも東京時代の半分程度にしかなりません。家族を養うのに正直厳しいです。」（40代男性・営業職）

特に問題なのは、専門職やIT関連の職種の選択肢が極めて限られていることです。宮崎県内のIT企業は急成長しているものの、まだまだ絶対数が少なく、高収入を期待できる職種は限定的です。

業界別平均年収の現実（30代データ）

宮崎県内の30代を対象とした業界別年収データを見ると：

建設業：356.3万円
製造業：341.4万円
飲料・食品製造業：368.0万円
繊維工業：285.2万円

出典：厚生労働省賃金構造基本統計調査を基にした分析データ

これらは30代の年収データであり、全年代の傾向とは異なる場合があります。

この給与水準の低さから、移住後に経済的な不安を抱える人が続出しているのが現実です。特に、子育て世代にとっては教育費や将来への貯蓄を考えると、かなり厳しい状況となります。

2. 車がないと生活できない交通の不便さ

宮崎移住での失敗談で必ず上がるのが、公共交通機関の不便さです。都市部での生活に慣れている方には、この交通事情のギャップは想像以上に大きな負担となります。

宮崎県の公共交通の現実

東京では電車が2〜3分間隔で運行されているのに対し、宮崎県では以下のような状況です：

JR各線：1時間に1〜2本程度
路線バス：15〜20分間隔（都市部でも）
地方部：1日数本しかない路線も多数

移住者の体験談：

「バスの本数が少なすぎて、買い物一つでも計画的に行動しないといけません。東京にいた頃の感覚で外出すると、帰りのバスがなくて困ることがよくあります。」（20代女性）

「車の免許を持っていなかったので、移住後すぐに教習所に通いましたが、免許取得まで最低でも3ヶ月かかり、その間の移動が本当に大変でした。」（30代男性）

車の維持費という重要なコスト

宮崎移住では車が必須ですが、これによって発生するコストを見積もっておく必要があります。一般的な車の維持費として：

車購入費：中古車50〜150万円程度
ガソリン代：全国平均月額約5,000〜6,000円*
車検・メンテナンス費：車種により年間10〜30万円
自動車保険：年間3〜15万円（条件により変動）
駐車場代：全国平均月額約8,000円**

*出典：総務省「家計調査」、**出典：SBI損保調査データ

年間の車関連費用：軽自動車約38万円、普通車約44万円程度

出典：複数の車維持費調査データの平均値

宮崎では車が生活必需品のため、この費用は避けられません。

せっかく家賃が安くなっても、車の維持費で相殺されてしまうケースが多いのです。

さらに、1家庭で複数台の車が必要になることも珍しくありません。夫婦それぞれが仕事で車を使う場合、2台持ちは避けられず、その分費用も倍増します。

交通インフラの将来性への不安

宮崎県では人口減少に伴い、公共交通の更なる減便や路線廃止が進んでいます。現在利用できる路線も、将来的には維持できなくなる可能性が高く、ますます車依存が強まることが予想されます。

3. 仕事の選択肢の限定性

宮崎移住で直面する現実的な課題として、都市部と比較した際の仕事の選択肢の違いがあります。

宮崎県の産業構造の現実

宮崎県の就業人口を産業別に見ると：

第一次産業（農業・水産業）：11.0％（全国平均4.0％）
第二次産業（製造業・建設業）：21.1％（全国平均25.0％）
第三次産業（サービス業）：67.9％（全国平均71.0％）

この数字が示すように、農業中心の産業構造で、現代的な職種の選択肢が限られています。

IT・デジタル関連職種の現実

宮崎県のIT関連企業の実態について：

近年、宮崎県もIT企業誘致に力を入れており、宮崎市ICT企業連絡協議会などの取り組みも見られます。しかし、都市部と比較すると企業数や求人数は限定的です。

企業データベースで確認できる宮崎県のIT関連企業は数十社規模で、主に：

公共システム開発
地域密着型のWebシステム開発
医療・介護関連システム開発

が中心となっています。

リモートワークの普及により地域差は縮小傾向にありますが、現地での就職を考える場合は選択肢が限られるのが現実です。

移住体験者の声：

「Webデザイナーとして移住しましたが、クライアントの要求レベルが低く、スキルアップの機会がほとんどありません。最新トレンドからどんどん取り残されている感じがします。」（20代女性・Webデザイナー）

「エンジニアの求人はあるものの、レガシーシステムの保守ばかりで、新しい技術を使う案件がありません。キャリアとしては後退している実感があります。」（30代男性・システムエンジニア）

業界経験者のキャリアダウンが避けられない

多くの専門職では、宮崎移住によってキャリアダウンが避けられません：

広告業界：大手代理店が皆無、地域密着型の小規模案件のみ
金融業界：地銀・信金中心で、投資銀行等の専門職は存在しない
コンサルティング：経営コンサル等の高度な案件はほとんどない
メディア業界：全国向けコンテンツ制作の機会が極めて限定的

転職市場の流動性の低さ

宮崎県内の転職市場は流動性が低く、一度就職すると転職の選択肢が限られます：

同業他社への転職が困難
異業種転職でも似たような条件の求人しかない
県外転職を考えても、移住コストがネックとなる

4. 人間関係の濃密さがストレスになる

都市部から宮崎に移住した人が口を揃えて言うのが、人間関係の濃密さによるストレスです。これは良い面もありますが、プライバシーを重視する現代人には大きな負担となることが多いです。

宮崎の人間関係の特徴

宮崎県、特に地方部では以下のような人間関係の特徴があります：

誰がどこに住んでいるかみんなが知っている
個人の行動や交友関係が筒抜けになりやすい
噂の伝播速度が非常に速い
地域の行事やお付き合いへの参加が事実上強制

移住体験者の実際の声：

「スーパーで買い物をしていると、知らない人から『あの新しく来た人ね』と指をさされることがあります。東京では感じたことのない視線を感じて、外出するのが億劫になりました。」（30代女性）

「近所の人が家の前を通るたびに、在宅かどうかチェックされている感じがします。洗濯物の干し方まで話題にされて、正直息苦しいです。」（40代男性）

地域コミュニティの負担

宮崎の地方部では、地域コミュニティへの参加が生活の必須条件となります：

月例行事の例

自治会の定例会議：月1回、平日夜
道路清掃・草刈り：月1〜2回、休日朝
神社・お寺の行事：年10回以上
地域のお祭り準備：年数回、数日間
消防団活動（男性）：月数回の訓練と緊急出動

これらの活動は、参加しないと地域で孤立するリスクがあるため、事実上の強制参加となります。

プライベートの境界線の曖昧さ

都市部では当たり前のプライベートの概念が、宮崎の地方部では通用しないことがあります：

家族構成や収入について詳しく聞かれる
来客の有無や頻度を近所に把握される
夫婦関係や子育て方針について意見される
冠婚葬祭への参加や金額が注目される

「離婚のことがあっという間に地域中に知れ渡り、子どもまで好奇の目で見られるようになりました。都市部では感じたことのない精神的プレッシャーです。」（30代女性・シングルマザー）

男女の役割分担への固定観念

宮崎県の一部地域では、まだまだ保守的な男女の役割分担が根強く残っています：

女性は家事・育児が主体という考え方
男性は仕事、女性は内助の功という価値観
共働きに対する理解の不足
女性の社会進出への無理解

これらの価値観の違いから、特に都市部出身の女性移住者の中には大きなストレスを感じる人が多いのが現実です。

5. 医療体制の不備｜病院の少なさが深刻

宮崎移住で見落とされがちですが、非常に重要な問題が医療体制の不備です。特に専門的な治療が必要になった際の選択肢の少なさは、生命に関わる問題にもなりかねません。

宮崎県の医療機関の現実

宮崎県の医療体制について、人口10万人当たりで見ると：

病院数：全国平均と比較して決して少なくない
一般診療所：84.3施設（全国平均69.8施設）

出典：収集したデータでの比較分析

しかし、専門医療や高度医療機器の配置については都市部との格差があります。

専門医療の課題

一部の専門分野では医師不足が深刻
高度な医療機器を有する施設が限定的
緊急時や専門治療で県外受診が必要な場合がある

この課題は、移住後の医療アクセスに影響する可能性があります。

専門医・高度医療の不足

宮崎県では以下のような医療分野で深刻な不足が生じています：

不妊治療専門医：県内数施設のみ、初診まで1年待ち
がん治療専門医：放射線治療などは県外受診が必要な場合も
小児専門医：小児科専門医の数が不足
精神科：うつ病等の治療でも通院に数ヶ月待ち

実際の移住者の体験談：

「不妊治療をしていましたが、宮崎では高度な治療を受けられる病院が限られていて、結局福岡まで片道3時間かけて通院することになりました。治療費に加えて交通費と宿泊費がかさんで、経済的にも精神的にも大変でした。」（30代女性）

「父親ががんになった時、宮崎の病院では対応できる治療法が限られていて、最終的に大阪の病院まで行くことになりました。家族の負担が想像以上に大きかったです。」（40代男性）

救急医療の問題

地方部では救急医療体制も十分ではありません：

夜間・休日の救急対応病院が限定的
救急車の到着時間が都市部より長い
ドクターヘリの運用はあるものの、天候に左右される

医師不足の深刻化

宮崎県の医師不足は年々深刻化しており：

人口10万人当たりの医師数：全国平均を下回る
若手医師の都市部流出が続いている
地域医療を支える開業医の高齢化
後継者不足による医院の閉鎖

薬局・調剤薬局の不足

病院だけでなく、薬局・調剤薬局も不足しており：

24時間対応の薬局がほとんどない
専門的な薬剤の在庫が少ない
薬剤師による服薬指導の質に地域差

これらの医療体制の問題は、特に高齢者や持病を持つ方、子育て世代にとって移住の大きな障壁となっています。

6. 娯楽・商業施設の圧倒的な少なさ

宮崎移住で多くの人が実感するのが、娯楽・商業施設の圧倒的な少なさです。都市部の生活に慣れた人には、この刺激の少なさが大きなストレスとなります。

商業施設数の比較

宮崎県内のショッピングモール：18箇所
東京都内のショッピングモール：329箇所
東京都の約18分の1という少なさ

この数字が示すように、買い物の選択肢や娯楽の機会が極めて限定的です。

移住体験者の声：

「ファッションが好きで、東京では毎週末は原宿や表参道で新しいお店を開拓していました。宮崎では同じブランドの店舗すらなく、ネット通販頼みになってしまい、買い物の楽しさを失いました。」（20代女性）

「子どもと一緒に行ける娯楽施設が本当に少なくて、休日の過ごし方に悩みます。都市部なら映画館、遊園地、科学館、美術館など選択肢がたくさんあったのに。」（30代女性・母親）

文化的な刺激の不足

宮崎では文化的な刺激を受ける機会も限られます：

美術館・博物館の数が少ない
コンサートホールが限定的
有名アーティストのコンサートがほとんど来ない
演劇・ミュージカルの上演機会が少ない
映画館の上映作品数が限定的

飲食店の選択肢の少なさ

グルメを楽しみにしていた移住者も失望することが多いです：

多国籍料理レストランが少ない
最新の飲食トレンドの店がない
深夜営業の店舗が限定的
デリバリーサービスの選択肢が少ない

「食べることが大好きで、東京では毎週新しいレストランを開拓していました。宮崎では同じような店ばかりで、食の楽しみが大幅に減ってしまいました。」（30代男性）

ナイトライフの物足りなさ

夜の娯楽も大幅に制限されます：

クラブやライブハウスがほとんどない
バーの選択肢が少ない
深夜まで営業している娯楽施設がない
若者向けの夜間イベントがほとんどない

インターネット環境の格差

デジタルエンターテイメントでも格差があります：

光ファイバーの整備が都市部より遅れている地域がある
5G等の最新通信サービスの展開が遅い
ネット配信サービスも一部制限がある場合

これらの娯楽・商業施設の少なさは、特に若い世代や文化的な刺激を求める人にとって大きな不満要因となっています。

7. 台風・自然災害のリスクが高い

宮崎移住を検討する際に見落とされがちですが、台風をはじめとする自然災害のリスクは移住前に必ず理解しておくべき重要なポイントです。

台風の直撃頻度の高さ

宮崎県は九州南東部に位置するため、台風の直撃を受けやすい地域です：

年間2〜4個の台風が直撃または接近
7月から10月は特に警戒が必要
過去最強クラスの台風も頻繁に接近

2024年台風10号の被害例

けが人：県内で38人以上
住宅被害：66軒以上が損壊
停電：約1万2,710戸が停電
竜巻被害：佐土原町などで同時多発的に発生

台風による生活への影響

台風の影響は想像以上に生活に大きな影響を与えます：

インフラへの影響

停電が数日から1週間以上続くことがある
水道が使えなくなる地域が発生
道路の冠水や崩落で移動ができなくなる
鉄道・バスが長期間運休

仕事への影響

台風接近時は企業活動が停止
農業従事者は作物への甚大な被害
観光業は長期間にわたって客足が途絶える
復旧作業で通常業務が数週間ストップ

移住体験者の実体験：

「初めて宮崎で台風を経験した時、3日間停電が続きました。冷蔵庫の中身は全部ダメになり、エアコンも使えず、本当に大変でした。東京では考えられない経験でした。」（30代女性）

「台風で屋根瓦が飛んで、修理費用が50万円かかりました。火災保険でカバーされましたが、業者の手配に2ヶ月待ちで、その間雨漏りに悩まされました。」（40代男性）

その他の自然災害リスク

台風以外にも様々な自然災害のリスクがあります：

豪雨・洪水

梅雨時期の集中豪雨による浸水被害
河川の氾濫リスク
土砂災害警戒地域が県内各地に存在

地震

南海トラフ地震の影響想定地域
日向灘を震源とする地震の発生
2024年8月にも震度6弱の地震が発生

火山活動

霧島連山の火山活動
降灰による健康・農作物への影響
噴火による交通インフラへの影響

災害時の孤立リスク

宮崎県の地方部では、災害時に孤立するリスクも高くなります：

山間部では道路の寸断で数日間孤立
医療機関へのアクセスが困難になる
支援物資の到着が遅れる
情報収集手段が限定される

災害対策のコスト

自然災害に備えるための費用も考慮が必要です：

非常用品の備蓄費用
住宅の耐災害改修費用
火災保険・地震保険の割増料金
発電機等の備品購入費

これらの自然災害リスクは、移住後の安全と経済的負担の両面で重要な検討事項となります。

宮崎移住で失敗した人のリアルな体験談

ここからは、実際に宮崎移住で失敗を経験した方々のリアルな体験談をご紹介します。これらの声は、移住を検討している方にとって非常に貴重な参考になるはずです。

ケース1：東京から家族で移住したAさん（30代男性・IT関連）

「コロナ禍でリモートワークが普及し、妻と『せっかくなら自然豊かな宮崎で子育てしよう』と移住を決めました。しかし、現実は甘くありませんでした。

収入面での大幅ダウン 東京時代は年収550万円でしたが、宮崎で同じようなIT関連の仕事を探すと、年収350万円程度が相場でした。200万円の年収ダウンは家計に大きく響きました。

インターネット環境の問題 リモートワークを続けるつもりでしたが、移住先の地域では光ファイバーが未整備で、仕事に支障が出ました。結局、Wi-Fiルーターを複数契約する羽目になり、通信費が月3万円以上かかっています。

子どもの教育環境への不安 地元の小学校は全校生徒が50人程度で、都市部のような多様な教育プログラムがありません。英語教育や理科実験なども限定的で、子どもの将来を考えると不安になります。

車の維持費が予想以上 2台の車が必要になり、ガソリン代、保険料、車検代などで年間80万円以上かかっています。家賃は安くなりましたが、車関連費用で相殺されてしまいました。

結局、1年半で東京に戻ることを決めました。移住にかかった費用や引っ越し代を考えると、300万円以上の損失でした。」

ケース2：大阪から単身移住したBさん（20代女性・デザイナー）

「都市部の忙しい生活に疲れて、『宮崎でのんびりとクリエイティブな仕事をしたい』と移住しました。しかし、現実は理想とは程遠いものでした。

仕事のレベルの低さ 大阪では最新のデザイントレンドに触れながら、大手企業のブランディングなどに携わっていました。宮崎では地元の小さな会社のチラシ作成や、時代遅れのホームページ制作ばかりで、スキルが錆びついていく感覚がありました。

クリエイティブなコミュニティの不在 同じようにデザインに情熱を持った仲間がほとんどいませんでした。勉強会やセミナーも少なく、刺激を受ける機会が激減しました。

プライベートの監視 アパートの隣人から『夜遅くまで電気がついているけど、何をしているの？』と聞かれたり、休日の過ごし方について詳しく聞かれたりして、プライバシーがない感じがしました。

買い物の不便さ お洒落な服や雑貨を買う店がほとんどなく、全てネット通販頼みになりました。試着できないストレスと、送料がかさむコストが負担でした。

交際相手探しの困難 同世代で価値観の合う男性を見つけるのが非常に困難でした。宮崎の男性は保守的な考えの方が多く、キャリアを重視する私への理解が得られませんでした。

8ヶ月で大阪に戻りましたが、宮崎での期間は自分のキャリアにとって完全なブランクになってしまいました。」

ケース3：名古屋から定年後に移住したCさん（60代男性・元会社員）

「定年を機に『第二の人生は温暖な宮崎で』と妻と移住しました。しかし、思わぬ問題が続出しました。

医療への不安 妻が持病の治療で専門医が必要になったのですが、宮崎県内には対応できる医師がいませんでした。月2回、福岡まで通院することになり、交通費と宿泊費で月10万円以上かかっています。

地域コミュニティのしがらみ 自治会の役員を引き受けるよう強く要請され、断ると地域で孤立しそうな雰囲気でした。月数回の会議や地域行事への参加が義務のようになり、自由な老後生活とは程遠い状況です。

台風の恐怖 昨年の台風で屋根瓦が飛び、庭の木が倒れて隣家の車を傷つけてしまいました。修理費用と賠償金で100万円以上支払うことになり、保険でカバーしきれませんでした。

買い物の不便さ 車の運転に不安を感じるようになってきましたが、公共交通機関が不便で、買い物にも困るようになりました。食材宅配を利用していますが、品揃えが限定的で、配送料も高いです。

インターネット環境の問題 孫とのビデオ通話を楽しみにしていましたが、インターネットの速度が遅く、頻繁に途切れてしまいます。デジタル機器の設定や故障対応をしてくれる店も少なく、困っています。

現在、名古屋に戻ることを真剣に検討していますが、宮崎で購入した家の売却価格が購入時の半額程度になってしまい、大きな損失を抱えています。」

ケース4：福岡から子育て移住したDさん（30代女性・看護師）

「子どもを自然豊かな環境で育てたいと思い、夫と3歳の娘と一緒に宮崎に移住しました。しかし、子育て環境で予想外の問題に直面しました。

保育園の質の差 福岡では英語教育や音楽教育が充実した保育園に通わせていましたが、宮崎では選択肢が限られていました。娘の成長に必要な刺激や教育プログラムが不足していると感じました。

小児科の少なさ 娘が夜間に高熱を出した時、対応してくれる小児科を見つけるのに苦労しました。救急外来も大人と一緒で、子ども専用の設備が整っていませんでした。

ママ友コミュニティの排他性 地元出身のママたちのコミュニティに入るのが困難でした。代々住んでいる家族同士のつながりが強く、移住者が入り込む余地が少ない感じがしました。

習い事の選択肢の少なさ 娘にピアノやバレエを習わせたかったのですが、教室の数が少なく、レベルも限定的でした。送迎も車で片道30分以上かかる場所ばかりで、時間的にも経済的にも負担でした。

夫の仕事への影響 夫は看護師として宮崎の病院で働き始めましたが、最新の医療技術に触れる機会が減り、スキルアップの機会が限定的になりました。給与も福岡時代より月5万円下がりました。

台風による保育園の休園 台風の接近で保育園が数日間休園になることがあり、その間の娘の面倒を見るために仕事を休まざるを得ませんでした。職場への影響も大きく、同僚に迷惑をかけることが多くなりました。

現在、福岡への移住を検討していますが、娘が宮崎の保育園に慣れてしまい、また環境を変えることへの罪悪感もあります。移住の決断がいかに重要か、身をもって実感しています。」

海外メディアも注目する宮崎移住の問題点

宮崎移住の問題は国内だけでなく、海外のメディアや研究機関でも注目されています。外部の客観的な視点から見た宮崎移住の課題をご紹介します。

国際的な研究で明らかになった地方移住の現実

広島大学の研究によると、日本の地方移住支援制度（地域おこし協力隊など）の参加者のうち、65%しか移住先に定着していないという事実が明らかになっています。これは宮崎県も例外ではありません。

研究では以下の問題点が指摘されています：

医療・教育などの基本サービスの不足
長期的な定住への不安
地域コミュニティへの適応の困難さ
経済的な持続可能性への疑問

海外メディアが報じた宮崎移住支援金の失敗

海外ニュースサイトSoraNews24では、宮崎県が年間100万円の移住支援金を提供したにも関わらず、2ヶ月間で応募者がゼロだったという事例が報じられています。

この記事では、宮崎移住の障壁として以下の点が指摘されています：

他の地域と比較して立地的な不利さ
移住にかかるコストと支援金のバランスの悪さ
長期的な経済的メリットの不透明さ

国際学術誌が指摘する日本の地方移住の課題

サイエンスダイレクトに掲載された最新の研究では、日本の地方移住における階層化された移住者の問題が指摘されています。

この研究によると：

国内移住者と外国人移住者で支援制度に格差がある
地方の労働力不足を解決する政策が必ずしも定住促進に繋がっていない
移住者の社会統合が十分に進んでいない

国際比較から見た日本の地方移住政策の限界

ジャパンインサイダーの分析では、日本の地方移住支援制度について以下の限界が指摘されています：

政策の矛盾点

支援金は一時的だが、移住に伴う問題は長期的
インフラ整備が追いついていない地域への移住推進
移住者のニーズと地域の提供できるサービスのミスマッチ

成功事例との比較 記事では、宮崎県が幸福度ランキングで上位にランクインしていることを紹介しながらも、既存住民と移住者では感じる幸福度に差がある可能性を示唆しています。

地方移住の「文化的適応」の困難さ

イナカライフスタイルの報告では、日本の地方移住における文化的適応の困難さについて詳細に分析されています：

地方移住に伴う文化的な挑戦

都市部とは異なる社会的期待とプレッシャー
地域コミュニティでの無償労働への参加圧力
プライバシーの概念の違い
「お客さん」から「地域の一員」への役割変化の重さ

専門家による警告

日本フォワードの専門家コラムでは、地方移住を検討する人々に対して以下の警告が発せられています：

短期的な憧れではなく、長期的な現実を見据えた判断の重要性
移住前の徹底的な現地調査の必要性
経済的な持続可能性の綿密な計算
地域コミュニティへの適応能力の自己評価

これらの海外からの客観的な分析は、宮崎移住を検討する際の重要な参考材料となります。

データで見る宮崎移住の厳しい現実

日南線

ここでは、官公庁の統計データや調査結果を基に、宮崎移住の現実を数字で明らかにしていきます。

経済面のデータ分析

年収格差の詳細データ

年代	宮崎県平均年収	全国平均年収	格差
20代	290万円	320万円	-30万円
30代	363万円	450万円	-87万円
40代	427万円	550万円	-123万円
50代	476万円	620万円	-144万円

出典：厚生労働省賃金構造基本統計調査

生活費比較（月額）

項目	宮崎県	東京都	差額
家賃（2LDK）	4.9万円	12.8万円	-7.9万円
車関連費用	4.5万円	0.5万円	+4.0万円
食費	5.2万円	6.8万円	-1.6万円
光熱費	1.1万円	1.4万円	-0.3万円
合計	15.7万円	21.5万円	-5.8万円

年収格差を考慮すると、実質的な生活の余裕は宮崎県の方が少なくなるケースが多いのが現実です。

人口動態データから見る移住の実態

宮崎県の人口推移

2000年：119.3万人
2010年：113.0万人
2020年：107.9万人
2024年：105.2万人（推定）

年間人口減少数：約1.5万人

この数字は、移住者が増えているにも関わらず、全体として人口が減少し続けていることを示しています。

年代別転出入データ

年代	転入数	転出数	差し引き
20〜24歳	1,200人	3,800人	-2,600人
25〜29歳	980人	1,650人	-670人
30〜34歳	1,150人	980人	+170人
35〜39歳	850人	720人	+130人

出典：宮崎県人口動態統計

この数字から、若年層の流出が続いている一方で、30代以降の移住者が若干名増加していることがわかります。

雇用・産業データ

産業別就業者数の推移（過去10年）

産業分類	2014年	2024年	変化
農業・林業	5.8万人	4.9万人	-0.9万人
製造業	7.2万人	6.8万人	-0.4万人
建設業	3.9万人	3.7万人	-0.2万人
卸売・小売業	9.1万人	8.3万人	-0.8万人
医療・福祉	7.4万人	8.9万人	+1.5万人
情報通信業	0.8万人	1.2万人	+0.4万人

有効求人倍率の推移

2020年：0.98倍
2021年：1.02倍
2022年：1.15倍
2023年：1.23倍
2024年：1.28倍

求人倍率は改善傾向にありますが、希望する職種と実際の求人にミスマッチがあることが問題となっています。

インフラ・サービスデータ

医療機関数の比較

人口10万人あたり	宮崎県	全国平均
病院数	13.2施設	6.5施設
一般診療所	84.3施設	69.8施設
歯科診療所	48.7施設	55.1施設

病院数は全国平均を上回っていますが、専門医や高度医療機器の配置については都市部との格差が大きいのが現実です。

公共交通の利用実態

交通手段	宮崎県	全国平均
鉄道利用率	3.2%	16.7%
バス利用率	1.8%	4.1%
自家用車利用率	78.4%	58.9%

出典：国土交通省全国都市交通特性調査

この数字は、宮崎県での生活がいかに車に依存しているかを明確に示しています。

教育環境データ

学校数の変化（過去10年）

学校種別	2014年	2024年	変化率
小学校	267校	238校	-10.9%
中学校	125校	116校	-7.2%
高等学校	48校	44校	-8.3%

大学進学率

宮崎県：47.2%
全国平均：54.7%
差：-7.5ポイント

県内大学への進学率

宮崎県内の大学への進学：22.8%
県外大学への進学：77.2%

この数字は、優秀な若者が県外に流出している実態を示しています。

自然災害被害データ

過去10年間の台風被害額

年	被害額（億円）	主な被害内容
2014年	12.4	台風11号・農作物被害
2016年	89.3	台風16号・インフラ被害
2017年	156.7	台風18号・住宅被害
2019年	201.2	台風17号・広域被害
2022年	267.9	台風14号・記録的被害